KAKEIBO | PRO/LiGHT流予算設定「決まった支出」の把握から始める新しい家計管理

「毎月がんばって家計簿をつけているのに、なぜか月末には赤字ギリギリ…」
「今年こそ貯金しようと予算を立てたのに、気づけばいつも予算オーバー…」
そんな経験はありませんか?

家計管理がうまくいかない原因、もしかしたら「記録の付け方」ではなく、「予算の立て方」そのものにあるのかもしれません。毎月の家計をスタートする時、「今月、本当に自由に使えるお金はいくらなのか」を正確に把握できているでしょうか?

家賃や光熱費、スマホ代、つい忘れがちなサブスクの料金まで。これら「必ず出ていくお金」を最初に確保してしまえば、予算管理は驚くほどシンプルになります。

この記事では、エクセル家計簿ツール「KAKEIBO PRO/LiGHT」を使い、挫折しない効果的な予算設定の具体的なステップをご紹介します。もう「あといくら使えるんだっけ?」と不安になるのはおしまいです。あなたに合った無理のない予算を見つけ、賢く家計を管理する第一歩を一緒に踏み出しましょう。

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1. なぜカテゴリと項目を分けるのか?

家計簿が続かない原因の一つに、支出項目の設定の難しさがあります。「細かく分けすぎると記録が面倒…」「でも、ざっくりすぎると何に使ったか分からなくなる…」そんなジレンマを感じたことはありませんか?

この章では、その悩みを解決するエクセル家計簿「KAKEIBO PRO/LiGHT」の基本的な考え方をご紹介します。なぜこのツールでは、支出を大きな「カテゴリ」と、より具体的な「項目」の二段階に分けて管理するのでしょうか。このシンプルな仕組みが、実は「続けやすさ」と「管理のしやすさ」を両立させる鍵なのです。まずはその基本思想を理解し、挫折しない家計管理の土台を固めましょう。

1-1. 支出を「見える化」する分類術

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家計簿の費目分けって、どうするのが一番いいんだろう?
食費と日用品は分けるべき?外食は食費?それとも娯楽費?

家計管理を始めるとき、多くの人がこの「分類のルール決め」でつまずきます。自分なりのルールを作っても、後から「これはどっちだっけ?」と迷ってしまい、記録が億劫になってしまうことも少なくありません。

KAKEIBO PRO/LiGHTは、この問題を解決するために非常にシンプルな分類方法を採用しています。それは、支出を「支出カテゴリ(大分類)」と「支出項目(小分類)」の二段階で管理するという考え方です。

  • 支出カテゴリ(大分類):
    「食費」「生活費」「住居費」といった、お金の使い道を大まかにグループ分けしたものです。予算を設定したり、月間の支出を振り返ったりする際には、このカテゴリ単位で見ます。
  • 支出項目(小分類):
    カテゴリの中を、さらに具体的に分けたものです。例えば「食費」カテゴリの中には「食料品」「外食」「菓子・飲料」といった項目があります。日々の支出を記録する際は、この具体的な項目を選んで入力します。

このように、記録は具体的に、管理は大まかにすることで、日々の入力で迷うことなく、かつ家計の全体像をしっかりと把握できるのです。

1-2. 二段階分類のメリット

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でも、二段階に分けるのって、結局設定が複雑になって手間が増えるだけじゃないの?

そう思われるかもしれません。しかし、この「二段階分類」こそが、家計簿で挫折しがちな「記録の面倒さ」と「管理のしにくさ」という二つの大きな壁を乗り越えるための、非常に効果的な仕組みなのです。この方法には、大きく分けて二つのメリットがあります。

メリット1:日々の「記録」がしやすくなる

毎日の支出を記録する時、私たちは「スーパーで食材を買った」「カフェでランチを食べた」という具体的な行動で記憶しています。二段階分類なら、その行動に合った「食料品」や「外食」といった具体的な「支出項目」を選ぶだけなので、直感的で迷いません。

もし「食費」という大きな項目しかなければ、「今日のランチは食費でいいのかな…」と一瞬考えてしまうかもしれませんが、具体的な項目があることで、日々の記録のハードルがぐっと下がり、家計簿を継続しやすくなります。

メリット2:月々の「管理」がしやすくなる

いざ予算を立てようとしても、「食料品は3万円、外食は1万円…」と細かく設定するのは、なんだか窮屈に感じませんか? 支出項目ごとに予算を厳密に決めてしまうと、少し外食が続いただけで「予算オーバーだ…」と計画が破綻し、挫折の原因になりがちです。これでは家計管理が長続きしません。

そこでKAKEIBO PRO/LiGHTでは、予算は「食費」という大きな「カテゴリ」単位で管理します。こうすることで、「今週は自炊で節約できたから、週末は少し贅沢なランチをしよう」といったように、カテゴリの総額予算内で柔軟にやりくりする裁量が生まれます。

そして月末に振り返る際には、項目の内訳を見れば「何に使いすぎたか」の原因分析も簡単です。大枠で管理するから続けやすい、でも詳細はしっかり把握できる。この絶妙なバランスが、二段階分類の大きなメリットです。

2. 未来の支出を予約する

「今月使えるお金は、あといくら?」と、月の途中で何度も計算し直してはいませんか?家賃や光熱費だけでなく、習い事の月謝や動画配信サービスの料金など、毎月必ず出ていくお金は意外と多いもの。これらをすべて頭で覚えておくのは大変です。

この章では、そんな悩みを一挙に解決するKAKEIBO PRO/LiGHTの最重要機能、[決まった支出]設定機能について詳しく解説します。この機能を使えば、未来の支出をあらかじめ「予約」しておくことができます。その結果、月の初めから「本当にやりくりできるお金」が明確になり、予算管理が劇的に楽になります。もう漠然とした不安に悩まされるのは終わりにしましょう。

2-1. この機能が解決すること

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家賃やスマホ代は覚えているけど、年に数回の支払いや、毎月バラバラの日に引き落とされるサブスクの料金って、つい忘れがち…。

そんな経験はありませんか?気づかないうちに口座残高が減っていて、慌ててしまったことがある方も多いかもしれません。[決まった支出]設定機能は、まさにその問題を解決するための機能です。

家賃や保険料といった毎月定額の「固定費」はもちろんのこと、習い事の月謝や動画・音楽のサブスクリプション料金といった、金額は決まっているけれど費目上は「変動費」に含まれるような支出まで、あらかじめ登録しておくことができます。具体的には、以下のような支出を登録しておくと便利です。

  • 固定費: 家賃、駐車場代、保険料、スマホの基本料金など
  • 定期的な変動費: 習い事の月謝、ジムの会費、サブスクリプション料金、新聞代など
  • 隔月・年払いなど: 2ヶ月に1回の水道料金、コンタクトレンズの定期購入費、NHK受信料など

このように、支払いサイクルが毎月でなくても「支払うことが決まっている支出」を事前にすべて登録しておくことで「うっかり忘れ」を防ぎ、お金の流れを完全にコントロール下に置くことができるのです。

2-2. 最大のメリット

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事前に支出を登録しておくのは分かったけど、それが予算管理にどう役立つの?

と思われるかもしれません。この機能がもたらす最大のメリット、それは「今月、本当にやりくりできるお金はいくらか」を、月の初めに正確に把握できることです。

従来の家計管理では、「 収入 − 貯金目標額 = 今月の予算」のように、ざっくりと予算を決めることが一般的でした。しかしこの方法では、先ほど挙げたような「決まった支出」が考慮されていないため、月の途中で「あ、今月はあの支払いがあったんだった!」と予算が狂ってしまうことが頻繁に起こります。

しかし、[決まった支出]設定機能を使えば、正確な「残予算」の把握が可能です。
収入 − 貯金 − 決まった支出の合計額 = 今月やりくりできるお金

  • 固定費:登録金額がそのまま予算となり、確実に確保されます。
  • 変動費:登録分の変動費を考慮された上で、残りの「やりくりできる変動費」の予算が明確になります。

この計算式によって導き出された金額こそが、日々の買い物や外食などで自由に采配できる「真の予算」です。固定費やサブスク代はすでに確保されているため、罪悪感なく使うことができます。これにより、「あといくら使えるんだろう…」という漠然とした不安から解放され、精神的な余裕を持って家計を管理できるようになるのです。これは、予算オーバーを防ぐ上で非常に強力な効果を発揮します。

3. 実践!カテゴリ別 予算設定

家計簿の基本と支出の事前登録方法がわかったら、いよいよ家計管理の心臓部である「予算設定」です。しかし、「収入は分かっているけど、各項目にいくらずつ割り振ればいいの?」と悩んでしまい、結局どんぶり勘定になってしまう方も多いのではないでしょうか。

この章では、これまでのステップを踏まえ、KAKEIBO PRO/LiGHTを使って具体的な予算を設定していく方法を解説します。難しく考えがちな予算設定も、「固定費」と「変動費」に分けて考えれば、驚くほどシンプルになります。あなたにとって無理なく、かつ効果的な予算を組み立てるための実践的なヒントがここにあります。

3-1. 固定費カテゴリの予算設定

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固定費の予算って、家賃みたいに金額が決まっているものは簡単だけど、毎月少し変動する水道光熱費や通信費はどうやって設定すればいいの?

固定費は家計の土台となる部分。ここを正確に把握することが、安定した家計管理の第一歩です。難しく考える必要はありません。基本は「毎月必ず出ていく金額を、漏れなく予算として確保する」ことです。KAKEIBO PRO/LiGHTでは、第2章でご紹介した[決まった支出]設定に登録した金額が、そのまま予算として活用できます。

  • 金額が完全に固定されているもの(家賃、保険料、駐車場代など):
    見たままの金額を[決まった支出]設定に登録しましょう。これで予算設定は完了です。
  • 金額が毎月少し変動するもの(水道光熱費や通信費など):
    以下のような方法で予算を設定し、[決まった支出]設定に登録します。
    過去3ヶ月〜半年程度の平均額を予算として設定 または、
    少し余裕を持たせた「考えられる最大金額」を予算として設定
    例えば、電気代が月々8,000円〜12,000円で変動するなら、12,000円を予算として登録します。

こうすることで、請求額が予算を上回る事態を防げます。もし実際の請求額が予算より少なければ、その差額は「余剰金」となり、貯金に回したり、他の変動費に充てたりすることも可能です。

3-2. 変動費カテゴリの予算設定

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食費や日用品、交際費みたいな変動費こそ、予算の立て方が一番難しい!いつも気づいたら使いすぎてしまうんだけど、どうやって適切な金額を決めればいいの?

変動費のコントロールは、まさに家計管理の醍醐味であり、最も頭を悩ませる部分です。しかし、KAKEIBO PRO/LiGHTのアプローチなら、もう当てずっぽうで予算を決める必要はありません。変動費と一括りにいっても、実は2つの種類に分けられます。

  • 決まった変動費: 習い事の月謝、サブスク料金など、毎月支払うことが決まっている変動費
  • やりくり変動費: 食費、日用品費、交際費など、日々の行動で金額が変わる変動費

KAKEIBO PRO/LiGHTでは、「決まった変動費」を[決まった支出]設定に登録できるのが大きな特徴です。これにより、予算設定は以下のシンプルなステップで行えます。

ステップ1:変動費に使えるお金の総額を把握する

まず、固定費と貯金を差し引いて、変動費全体にいくら使えるのかを明確にします。

月の手取り収入 − 毎月の貯金額 − 固定費の予算合計 = 変動費に使える総額

ステップ2:「本当にやりくりできるお金」を知る

ステップ1で算出した「変動費に使える総額」から、[決まった支出]に登録したサブスク代や習い事代を差し引きます。

変動費に使える総額 − 登録済みの変動費の合計 = 純粋なやりくり費

この「純粋なやりくり費」こそが、日々の食費や交際費などで自由に采配できる「真の予算」です。

ステップ3:「純粋なやりくり費」を各カテゴリに配分する

最後に、算出された「純粋なやりくり費」を、「食費」「生活費」「娯楽費(やりくり分)」といったカテゴリに割り振っていきます。過去のデータがあればそれを参考に、なければまずは仮の目標として設定しましょう。

4. 予算と実績を比較

完璧な予算を立てたとしても、それを実行できなければ意味がありません。「今月は順調なはず」と思っていても、月末に集計してみたら予想外の赤字でがっかり…なんてことは避けたいですよね。家計管理成功の秘訣は、壮大な計画よりも「日々のこまめなチェック」にあります。

この章では、KAKEIBO PRO/LiGHTに搭載されている2つの強力な確認機能、予算管理ダッシュボードをご紹介します。これらの機能を活用すれば、面倒な計算は一切不要で次のことが簡単にできます。

  • 予算と現在の支出状況をリアルタイムで比較できる
  • 「使いすぎ」のサインを早期にキャッチできる
  • 月の途中で調整が可能

月末に後悔するのではなく、日々こまめにチェックをし、月の途中で賢く軌道修正していきましょう。

4-1. 予算管理 機能

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日々の支出は記録しているけど、カテゴリごとの合計額や残りの予算をいちいち計算するのが面倒…。
結局、あといくら使えるのか正確な数字がわからない!

家計簿がただの記録ノートで終わってしまう最大の原因は、この「集計と分析の手間」にあります。使ったお金をただ書き出すだけでは、次の行動には繋がりません。

KAKEIBO PRO/LiGHTの[予算管理]機能は、そんなあなたを面倒な電卓作業から解放してくれます。日々の支出を入力するだけで、ツールが自動的に「支出項目」ごと、そしてそれをグループ化した「支出カテゴリ」ごとに集計値を算出し、一覧表で表示してくれます。この一覧表では、次の内容が並べて表示されます。

  • 予算: カテゴリ毎に設定した予算
  • 実支出: 現在の実支出
  • 差額: 予算から実支出を引いた額

例えば、「食費」の行を見れば、「予算50,000円に対し、現在35,000円使用。残り15,000円」といった情報が、数字で明確にわかります。

これにより、「今月はあと15,000円でやりくりしよう。週末の外食は控えて自炊を頑張ろう」といった、具体的で現実的なアクションプランを立てることができるのです。詳細な数字を把握し、じっくりと家計の状況を分析したい時に、この機能はあなたの頼れる参謀となってくれるでしょう。

4-2. ダッシュボード 機能

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細かい数字が並んでいる表を見るのはちょっと苦手…。
もっとパッと見て、家計の状況が直感的にわかる方法はないの?

そんな方のために用意されているのが、[ダッシュボード]機能です。これは、あなたの家計の状況をまるで車のメーターのように、視覚的に分かりやすく表示してくれる「家計のコックピット」とも言える場所です。

最大の特徴:データバー

この機能の最大の特徴は、カテゴリごとに表示される「データバー」です。これは、設定した予算に対する残りの予算額をグラフ化したもの。

  • 月の初めにはバーが満タンの状態です。
  • 支出が増えるにつれてバーが縮小し、残りの予算が一目でわかります。

例えば、「食費」の予算を示すバーが半分くらいになっていれば、「予算の半分を使ったんだな」と一目でわかります。この直感的な仕組みにより、「今週は娯楽費のバーが短くなるのが早いから、少しセーブしよう」というように、ゲーム感覚で節約を意識することができます。

忙しい方でも、週に一度このダッシュボードを眺めるだけで、どの費目が順調で、どの費目が危険水域にあるのかを瞬時に把握できます。細かい数字とにらめっこすることなく、家計全体の健康状態をスマートにチェックしましょう。

5. まとめ

今回はエクセル家計簿ツール「KAKEIBO PRO/LiGHT」を活用した、効果的な予算設定の方法をご紹介しました。

家計管理がうまくいかないのは、あなたの意志が弱いからではありません。多くの場合、その「やり方」に原因があります。大切なのは、闇雲に節約することではなく、まず「必ず出ていくお金」を月の初めに確保してしまうこと。そして、「本当にやりくりできるお金はいくらか」を正確に把握することです。このツールを使えば、

  • 「カテゴリ」と「項目」の二段階分類で、記録と管理が楽になる
  • [決まった支出]設定機能で、未来の支出を予約できる
  • ダッシュボード」機能で、家計の状況を直感的に把握できる

といった、予算管理を成功させるための仕組みがすべて揃っています。もう「あといくら使えるんだっけ?」と不安になる必要はありません。まずはあなたの「決まった支出」を洗い出すことから始めてみませんか?この記事が、あなたが理想の家計管理を実現する、確かな第一歩となれば幸いです。

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